医療関連感染情報の季刊誌 Vol.23 No.1 (2018)

重症心身障害児(者)施設の呼吸器感染対策上の問題点 ─呼吸器症候群サーベイランスの紹介─

高山 直樹(独立行政法人国立病院機構天竜病院 感染対策室)

はじめに

 重症心身障害児(者)(以下、重症児)施設には、重度の知的障害と重度の肢体不自由を持つ児が入所している1)。重症児施設では、感染症が流行しやすいとされ、特に呼吸器感染症では、respiratory syncytial virus(RSV)2、3)、human metapneumo virus(hMPV)4 ~ 7)、influenza virus などを原因としたアウトブレイクが報告されている8 ~ 11)
 筆者が所属する重症児施設でも、数年前にRSV 感染症のアウトブレイクを経験した。本稿では重症児施設における呼吸器感染対策上の問題点を述べる。また、筆者らが作成した『重症心身障害児(者)施設向け呼吸器症候群サーベイランス手順書(案)』を紹介する。

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