プライマリケアにおける 薬剤耐性（AMR）問題とその対応

はじめに

　本邦での薬剤耐性（antimicrobial resistance；AMR）問題を考える時、プライマリケア（primary care；PC）医の関与は大きい。すなわち経口抗菌薬は、今や抗菌薬総消費量の90% を占め、その約70% をPC 医が処方しているからである。なかでも、かぜ症候群に対する抗菌薬投与は、耐性菌増加を助長しているため、その適正投与の重要性は以前より指摘されている。