医療関連感染情報の季刊誌 Vol.24 No.2 (2020)

季節性インフルエンザアウトブレイク対策における 薬剤師の積極的関与 ー積極的予防投与か?職員休暇取得か?ー

片山 歳也(JCHO 四日市羽津医療センター 薬剤部)

施設内のインフルエンザの伝播様式

 季節性インフルエンザアウトブレイクは、市中感染の広がりがメインであるが、病院、診療所および高齢者施設等の医療施設内の報告も多い。季節性インフルエンザの伝播様式として、飛沫感染、直接接触および環境表面等から手を介した間接的な接触感染、空気中に浮遊するエアロゾルも挙げられる。罹患患者からの伝播はもちろんであるが、不顕性感染または発症した医療従事者や面会者等を介することがある。従って、入院患者が外出・外泊でも市中で季節性インフルエンザに罹患することは十分ありうる。また、高齢者はインフルエンザ感染の典型的な症状に乏しいこともあるため発見が遅れることがある。

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