医療関連感染情報の季刊誌 Vol.25 No.2 (2021)

消毒薬適正使用に関わる薬剤師の取り組み

古見 嘉之(東京医科大学病院 薬剤部)

背景

 消毒薬の効果はその濃度、温度、接触時間、対象物の物理学的特性や、有機物などの汚染によって影響を受ける。消毒薬にはこのような使用に際しての注意点が存在するが、院内での適正使用に関する状況が十分に把握されていなかった。また、医療機関で使用される物品や器材は、滅菌されるか、ディスポーザブル製品を使うことが主流となりつつあるが、現状では全ての物品に対して滅菌を行うことは経済的な面など種々の理由があり、困難な施設も多いと思われる。
 当院では、感染制御部からの承認のもと 2016 年 5 月に薬剤部の感染制御に関わる薬剤師が主体となり、消毒薬適正使用推進チーム(Disinfectant Stewardship Team:DST)を結成し、活動を行ってきた。今回はDST のこれまでの主な活動内容について紹介する。

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