医療関連感染情報の季刊誌 Vol.25 No.3 (2021)

院内感染対策が適切に実施されてはじめて 抗菌薬適正使用支援のアウトカム評価ができる

一ノ瀬 直樹(公立昭和病院 感染管理部 感染管理室)

当院における AST 活動体制

 2018 年度の診療報酬改定において、感染防止対策加算に抗菌薬適正使用支援加算が新設された。多くの施設において抗菌薬適正使用支援チーム(AST)が設置され、抗菌薬使用に関して薬剤師によるプロセス評価、アウトカム評価が積極的に行われるようになった。しかしその多くが使用量に関するものであり、感染対策が適切に行われているかどうかに言及されているものが少ない。
 公立昭和病院では、2012 年から感染症専門医による週 1 回の抗菌薬適正使用支援活動を開始し、2013 年からは薬剤師、臨床検査技師も参加した。2014 年からは平日毎日、感染症を専門とする医師、薬剤師、臨床検査技師が活動を行った。2016 年、カルバペネム系抗菌薬の使用届出制を開始し、血液培養複数セット採取を届出条件に含めた。2018 年からは感染症を専門とする看護師も加わり、AST 活動の体制が整った(図1)。

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