医療関連感染情報の季刊誌 Vol.26 No.1 (2022)

COVID-19 施設内感染アンケート調査を踏まえた院内感染対策案~わかっていること、わかっていないこと~

三鴨 廣繁、飯沼 由嗣、國島 広之、髙橋 聡、永井 英明、森 伸晃(日本感染症学会 COVID-19 院内感染対策ワーキンググループ)

はじめに

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のいわゆる第 5 波では、SARS-CoV-2 変異株であるデルタ株が主要な原因微生物となった。今後も新たな変異株も含めて感染拡大が懸念されており、流行拡大とともに心配されるのが病院、診療所、高齢者施設などでの施設内感染の発生である。
 一般社団法人日本感染症学会では、本原稿の著者 6名(委員長:三鴨廣繁)で構成する COVID-19 院内感染対策検討ワーキンググループ(以降、WG)を立ち上げた。WG では、COVID-19 施設内感染アンケート調査(以下、アンケート調査)を実施し、その結果から、これまでにわかったことを明らかにし、これから解決すべきことを抽出した。

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