国際看護師への入口

　都内の大学病院のホットラインが鳴る。救急隊から脳梗塞疑い患者の受け入れ要請だ。医師や看護師、放射線技師などの連携で、病院到着から１時間ほどで脳血管に詰まった血栓はカテーテル治療にて取り除かれ、先ほどまで動かなかった患者の麻痺した体が急速に動きを取り戻す。患者にはカテーテルを挿入するために、足の付け根にごく小さな傷が残るだけだ。2 年前までその恵まれた医療現場にいた私は今、カンボジアで看護師をしている。認定NPO 法人ジャパンハートの国際看護師研修生となるためだった。