医療関連感染情報の季刊誌 Vol.26 No.2 (最新号)

ウガンダのHIV 孤児支援 -“予防としての治療”と服薬支援の重要性-

鈴木 節子 (国立国際医療研究センター 国際感染症センター / しらかば診療所)

ウガンダにおける HIV 感染症の状況

 ウガンダ共和国はアフリカ大陸の東側に位置する、人口約 4,400 万人の国である 1)。2020 年のウガンダのHIV 陽性者(約 140 万人)のうち、約 98,000 人(約7%)は 14 歳以下の子供であり 2)、日本の 1985-2020年の HIV/AIDS 累積報告数(32,480 人)のうち、14歳以下は 66 人(0.2%)であることと比較すると、ウガンダでは多くの子供たちが HIV と共に生きていることがわかる 3)。その多くは親を AIDS で亡くしたエイズ孤児であり、そうした子供たちの支援を目的とし、2020 年から 2021 年にかけて、私は JICA ボランティアとして現地の NGO に派遣された。

医療関連感染情報の
季刊誌

CARLISLE