医療関連感染情報の季刊誌 Vol.27 No.1 (最新号)

感染制御専門薬剤師を中心とした 学齢児童を対象とする手指衛生の啓発活動 ー薬剤師のパートナーシップで取り組むSDGs プロジェクトー

西田 祥啓(金沢医科大学病院 薬剤部 / ICT、NPO 法人 薬薬連携SDGs KANAZAWA)

児童を対象とする手指衛生教育の重要性

 新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の流行により、日常的な感染予防対策として重要かつ基本的な手技である手指衛生が注目されている。感染症の流行を効果的に予防するためには医療機関内のみならず一般社会においても正しい手指衛生手技の教育が必要となる。
 第6波以降は小児感染者数の増加がみられており、熱性けいれんやクループ症候群といった合併症や、稀ではあるが重症例や死亡例も報告されている。さらに、小児は保育園、幼稚園、学校などで集団生活を行う機会が多いため感染リスクが高く、家庭内にも感染を拡げる可能性があるため、小児への手指衛生の啓発は喫緊の社会的課題である。この課題を解決するために、薬薬連携SDGs KANAZAWA では感染制御専門薬剤師を中心に学齢児童(以下、児童)を対象とする手洗い教室を開催している。

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