医療関連感染情報の季刊誌 Vol.28 No.2 (最新号)

ホスピス住宅における感染対策と課題

梅田 恵(ファミリー・ホスピス株式会社 品質管理責任者/ がん看護専門看護師)

ホスピス住宅とは
 超高齢化、多死社会を背景に、看取りの場の不足は大きな社会問題である。そこで、看取りのときまでご家族と共に、自分らしく過ごすことのできる新たな療養の場として、ホスピス住宅の需要が高まっている。ホスピス住宅について公的な基準は定まっていないが、当社は住宅型有料老人ホーム(もしくはサービス付き高齢者住宅)に、医療を提供する訪問看護事業と生活支援を提供する訪問介護事業を併設し、多職種チームでホスピスケアを導入した施設を運営している。
 利用者は、主に末期がんや難病のような完治が難しい疾患を患い、継続した医療的ケアが必要で、一人暮らしや家族の高齢化などのためにご自宅での療養生活に限界や不安を抱える方々である。入居者のほとんどが、同施設で看取りを迎えている。入居期間の中央値は、がんを患われている方が約70 日、難病を患われている方は約390 日で、数日~数年と幅広い期間の利用となっている。また、入居者の平均年齢は約80 歳である。

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