医療関連感染情報の季刊誌 Vol.27 No.3 (最新号)

救急隊員の感染防止対策における消防機関特有の課題

澤田 仁(京都橘大学 健康科学部 救急救命学科)

はじめに

 救急隊員は、すべての傷病者に対し感染の危険性があるものとして標準予防策を行う。この対応は、救急外来部門における感染防止対策と通ずるものがある。
しかし、救急現場は、医療機関とは異なる特殊な環境のため、その取り扱いには消防機関特有の課題がある。また、救急資器材(図1)※の消毒や保管はマニュ
アルやテキストに基づいて行われているが、消防機関の施設、環境、予算等は市町村によって異なり、それぞれの実情に応じた消毒業務が行われている。

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