医療関連感染情報の季刊誌 Vol.28 No.1 (最新号)

吸光光度法を用いた次亜塩素酸ナトリウムの
濃度測定と浸漬消毒手順の遵守状況の調査

武居 幸(東京医科大学病院 薬剤部)

はじめに
 感染制御に限らず、近年ではディスポーザブル製品の使用が推奨されるようになってきた。しかし、現場では未だ多くの物品に対して消毒薬が使用されている現状がある。当院でも多くの病棟で次亜塩素酸ナトリウムを使用した消毒が行われているため、消毒薬の適正使用と管理が重要であり、それに関する教育や周知を行っていく必要がある。
 当院における次亜塩素酸ナトリウムの適正使用に関する教育は、マニュアルの周知と各現場での指導が主となっている。我々は感染制御チーム(ICT)傘下に消毒薬適正使用支援チームを組織し、次亜塩素酸ナトリウムを適正に使用させる一環として比色法を用いた濃度測定を含む実態調査を行ってきた。しかし比色法は目視による濃度測定であるため、測定結果の正確性が課題であった。そこで、今回、吸光光度法を用いた次亜塩素酸ナトリウムの濃度測定を行うこととなった。さらに、チェックリストを用いた現場での浸漬消毒手順の遵守状況を調査した。

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