COVID-19 の経験を踏まえた今後の感染症診療

COVID-19 パンデミックの概要
　2019年12月に中国の武漢から感染が拡大した新型コロナウイルス感染症（COVID-19: Coronavirus
Disease 2019）は、急速に世界各地へ拡がり、世界保健機関（WHO: World Health Organization）は2020 年1月30日にCOVID-19を「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態 （PHEIC: Public health emergency
of international concern）」と宣言、同年3月12日には、流行状態をパンデミックと評価した。
　2023年5月5日にWHO がPHEIC 宣言を終了し、日本国内では同年5月8日にCOVID-19の感染症法上の位置付けを2類相当から5類感染症に変更したが、その後もCOVID-19感染症は、全世界で医療保健分野にとどまらず、社会的及び経済的にも多大な影響を及ぼしている。