消毒薬テキスト第5版

監修の方針

監修の方針

医療関連感染を防止するためには、感染のサーベイランスを行い、その結果を客観的に分析することと、科学的な根拠に基づく対策を組織的に継続して実践することが大切です。日本においてもエビデンスに基づく感染制御の公的ガイドラインが整備されています

この「消毒薬テキスト第5版」は、それらと同様の立場から、感染制御において消毒薬が果たすべき役割を科学的な見地から見直して解説するとともに、医療関係者が消毒薬の適切な使用を進めて行く上で参考となるように基本的事項についてまとめた解説書です。このような主旨から、以下に示します方針で監修しました。

・欧米での最新の知見を参考にして、従来から通説的に伝えられてきた消毒薬の評価と慣習的に行われてきた消毒法について見直す。

・試験管内での結果のみならず、臨床試験による消毒薬の評価を重視し、安全性・経済性・即効性などを踏まえて総合的に判断する。

・どのような状況で消毒が必要なのかを明記し、その時にどの消毒法が望ましいかを示す。

・医薬品再評価の結果をもとに、臨床的見地から一般的に推奨すべき使用法を詳細に記述する。

このテキストは、医療関連感染防止に携わっておられる皆様方の良き道しるべとなるように、消毒薬メーカーである吉田製薬株式会社の文献調査チームの方達が誠意をこめて執筆されたものです。2001年11月にインターネット上で公開され、2002年2月に自社出版され、2005年2月に小林寬伊先生のご指導を得てさらに内容が整備され、正式に「消毒薬テキスト新版」が出版されました。その後改訂を重ね、このたび最新の法制やガイドラインなどを反映して「消毒薬テキスト第5版」を出版する運びとなりました。また、インターネット上(http://www.yoshida-pharm.com/)での公開も継続されます。広く皆様方の日常的な臨床の場で参考となり、感染制御の分野で役立てていただければ幸いです。

2016年9月
東京医療保健大学/大学院 教授
大久保 憲

* 監修の方針 文献
小林寬伊,吉倉廣,荒川宜親編集.エビデンスに基づいた感染制御(改訂2版)-第1集-基礎編.メヂカルフレンド社,東京,2003.小林寬伊,吉倉廣,荒川宜親,倉辻忠俊編集.エビデンスに基づいた感染制御-第2集-実践編.メヂカルフレンド社,東京,2003.小林寬伊,吉倉廣,荒川宜親,倉辻忠俊編集.エビデンスに基づいた感染制御-第3集-展開編.メヂカルフレンド社,東京,2003.

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